「学歴に自信がない」「正社員として長く働いた経験がない」「転職回数が多い」「仕事をしていなかった期間がある」。
こうした理由で転職活動に不安を感じている人でも、タクシー会社は応募先の一つになります。
タクシー運転手は、過去の学歴や同業界での経験を必須としない求人が多く、厚生労働省の職業情報でも「学歴、経験は問われない」とされています。
実際に現在のタクシー会社の募集要項を見ると、「学歴不問」「経験不問」「未経験歓迎」として正社員を募集している会社があります。
ただし、学歴や職歴を問われにくいことと、誰でも無条件で採用されることは別です。
タクシー会社への転職では、過去の肩書きよりも、これから安全に運転できるか、乗客に対応できるか、仕事を続けられるかという部分を見る会社があります。
タクシー会社では学歴を応募条件にしない求人がある
タクシー運転手になるために、大学卒業や専門学校卒業など特定の学歴が必要なわけではありません。
厚生労働省の職業情報提供サイトでは、タクシー運転手について「学歴、経験は問われない」と説明しています。
実際の採用でも、日本交通はタクシードライバーの応募資格を「学歴不問」としています。
国際自動車も「学歴・経験一切不問」として未経験者を募集しています。
日の丸交通も学歴不問としており、さらに正社員として働いた経験がなく、アルバイトや派遣で働いてきた人についても応募できると案内しています。
そのため、
高卒ではない
大学を中退した
学校を卒業してから時間が経っている
学歴をアピール材料にできない
といったことだけで、タクシー転職を諦める必要はありません。
職歴がきれいでなくても応募できる会社はある
「職歴に自信がない」という内容は人によって違います。
たとえば、
正社員経験が少ない
アルバイトや派遣の期間が長い
転職回数が多い
異業種でしか働いたことがない
仕事をしていなかった期間がある
といったケースがあります。
タクシー会社の中には、こうした経歴を理由に最初から応募対象外にしていない会社があります。
日の丸交通では、正社員としての勤務実績がなくても応募できると明示しています。
国際自動車も、就職の空白期間があっても応募に問題はないと案内しています。
日本タクシーも、職歴・学歴を不問とし、ブランクがある人を採用対象としています。
つまり、「これまでの職歴がきれいではないから、履歴書を出しても無理だろう」と自分で判断してしまう必要はありません。
会社ごとの応募条件を確認することが先です。
異業種しか経験していなくても大きな問題ではない
タクシー会社へ転職する人が、全員運転関係の仕事をしていたわけではありません。
国際自動車では、入社者の90%以上が未経験スタートとしており、事務職、営業職、セールスドライバーなど、さまざまな前職から入社しているとしています。
タクシー会社には、入社後に第二種免許の取得、地理、接客、安全運転などを教える研修制度を設けている会社があります。
そのため、過去にタクシーを運転した経験がないこと自体は珍しくありません。
むしろ異業種であっても、
接客をしていた
時間を守って仕事をしていた
一人で仕事を進めていた
お客様や取引先と接していた
毎日車を運転していた
など、これまで普通に行ってきたことがタクシーの仕事につながる場合があります。
華やかな職歴を作る必要はありません。
自分がこれまで何をしてきたのかを、実際の仕事内容として整理しておく方が面接では説明しやすくなります。
「学歴・職歴不問」は採用審査がないという意味ではない
ここは特に注意したいところです。
「学歴不問」「職歴不問」「未経験歓迎」と書かれていても、応募すれば必ず採用されるわけではありません。
日本交通では、採用面接について経験の有無にかかわらず人柄や意欲を見ると案内しています。
また、面接後には健康診断も行われます。
タクシー運転手は、乗客を乗せて公道を走る仕事です。
そのため、過去の学校名や会社名よりも、
安全に運転できるか
仕事に支障のある健康上の問題がないか
乗客に失礼のない対応ができるか
質問にきちんと答えられるか
仕事を続ける意思があるか
といった部分が重要になります。
つまり、学歴・職歴への不安が小さくなる代わりに、「実際に乗務員として仕事を任せられるか」が見られると考えた方がよいでしょう。
職歴の空白や転職回数は隠さず説明できるようにする
職歴に空白期間があったり、転職回数が多かったりすると、「面接で聞かれたらどうしよう」と不安になるかもしれません。
しかし、職歴を問わない会社でも、面接で過去の職歴について一切聞かれないとは限りません。
国際自動車では、面接時に志望動機とともに職歴についても質問すると案内しています。
大切なのは、職歴を立派に見せることではありません。
「なぜ前職を辞めたのか」
「空白期間に何をしていたのか」
「なぜ今タクシーの仕事を考えているのか」
を自分の言葉で説明できるようにしておくことです。
無理に前職をよく見せたり、経験していない仕事を書き足したりする必要はありません。
事実を整理して説明できれば十分です。
タクシーで必要なのは普通免許と第二種免許への対応
学歴や職歴とは別に、タクシー運転手には免許の条件があります。
乗客を乗せて営業するには、普通自動車第二種免許が必要です。
ただし、応募時点で第二種免許を持っていなくても応募できる会社があります。
第一種普通免許を持つ人を採用し、入社後に第二種免許を取得させる会社があるためです。
たとえば日本交通や国際自動車では、会社負担で第二種免許を取得できる制度を設けています。
第二種免許の受験資格は原則として21歳以上で、普通免許などを受けていた期間が通算3年以上です。
一定の教習を修了した場合には、19歳以上かつ普通免許などの保有期間1年以上に引き下げられる特例もあります。
会社側の応募条件も異なるため、学歴や職歴より先に、自分の普通免許の取得時期を確認しておくとよいでしょう。
「自分には何もない」と考える前に応募条件を見る
学歴や職歴に自信がないと、求人を見ても「自分には無理だろう」と応募する前に候補から外してしまいがちです。
しかし、タクシー会社の場合は、会社側が最初から「学歴不問」「経験不問」「未経験歓迎」と明示している求人があります。
その場合、大学を出ているか、立派な会社で働いていたか、タクシー経験があるかを自分で心配するよりも、まず応募条件を確認した方が早いでしょう。
確認するのは次のような部分です。
| 自分の状況 | 求人で確認するところ |
|---|---|
| 学歴に自信がない | 学歴不問か |
| 正社員経験がない | 社会人経験・正社員経験を求めているか |
| 職歴に空白がある | ブランク可か |
| タクシー未経験 | 未経験者を募集しているか |
| 第二種免許がない | 取得支援制度があるか |
| 普通免許しかない | 免許取得後何年以上が応募条件か |
| 接客経験がない | 入社後の接客研修があるか |
| 運転に不安がある | 運転研修や同乗研修があるか |
「学歴・職歴に自信がない」という漠然とした不安を、応募条件一つずつに分解すると、自分が応募できる会社かどうかを判断しやすくなります。
会社によって「学歴・職歴不問」の中身は違う
一方で、タクシー会社ならどこでも同じ条件で採用しているわけではありません。
普通免許を取得してから必要な期間も違いますし、第二種免許の取得支援、研修期間、雇用形態、給与保証なども会社ごとに違います。
さらに、「学歴・経験不問」と書いてある会社でも、採用面接の考え方までは同じとは限りません。
そのため、1社の募集要項を見て「タクシー業界は全部こうだ」と判断しない方がよいでしょう。
通勤できる範囲から3社程度を選び、
学歴条件
経験条件
普通免許の条件
第二種免許取得支援
研修内容
雇用形態
を並べて確認すると、自分でも応募できる会社を見つけやすくなります。
学歴や過去の職歴より「これから働けるか」で探してみる
タクシー運転手は、学歴や同業種での経験を必須としない仕事です。
実際に、学歴・経験不問、未経験歓迎として正社員を募集し、職歴の空白や正社員経験の少なさについても応募可能としている会社があります。
だからといって、過去の経歴がまったく見られないわけではありません。
面接では職歴について聞かれることもありますし、安全運転、健康状態、接客への姿勢など、タクシー運転手として働くための適性は確認されます。
それでも、これまでの学校名や会社名だけで転職先が決まる仕事ではありません。
学歴や職歴に自信がなく、転職先を絞り込めずにいるなら、まず自宅から通えるタクシー会社を3社ほど探し、「学歴不問・未経験可・普通免許から応募可能」の3点を確認してみてください。
応募するかどうかは、その条件を見てから決めれば大丈夫です。
面接が不安なら、聞かれる内容を確認します。
→ タクシー会社の面接では何を聞かれる?未経験者の面接対策
採用されるか心配なら、落ちる理由も確認します。
→ タクシー会社の面接で落ちる理由は?採用前に確認したいこと
出典
厚生労働省|職業情報提供サイト(job tag) タクシー運転手
警察庁|第二種免許等の受験資格の見直しについて(令和4年5月13日)
日本交通|募集要項
日本交通|採用までの流れ
国際自動車|タクシードライバー 募集要項
日の丸交通|採用情報
日本タクシー株式会社|採用サイト
