タクシー会社の面接で落ちる理由は?採用前に確認したいこと

タクシー会社は未経験者を積極的に採用している会社がありますが、応募すれば必ず採用されるわけではありません。

不採用になる可能性があるのは、志望動機や面接態度だけではありません。

タクシーは乗客を乗せて公道を走る仕事のため、運転経歴、安全運転への意識、接客への適性、健康状態なども採用時の確認材料になります。

さらに、普通第二種免許を持っていない人は、入社後に二種免許を取得できることも必要です。

面接対策だけをするより、応募前に「自分が採用・乗務の条件を満たせそうか」を確認したほうが、不採用になる原因を減らしやすくなります。

タクシー会社は「運転できれば採用」とは限らない

タクシー運転手は運転職ですが、普通に車を運転できれば仕事になるわけではありません。

乗客を安全に目的地まで運び、経路や料金について説明し、必要な接客を行います。

厚生労働省の職業情報でも、タクシー運転手には交通法規を守ることと、よい接客態度を保つことが求められています。

実際の採用でも、日本交通は面接で経験の有無にかかわらず「人柄や意欲」を見ると案内しています。

つまり会社側が見ているのは、

「車を運転できるか」

だけではなく、

「乗客を任せられる人か」

という部分です。

運転経歴に問題があると採用へ影響することがある

タクシー会社が特に重視しやすいのが安全運転です。

過去に重大な事故を起こしている、交通違反を繰り返しているなど、運転経歴に大きな問題がある場合は、採用へ影響する可能性があります。

ただし、

「過去に一度でも違反したら不採用」

という全国共通の採用基準があるわけではありません。

国際自動車も、運転経歴に大きな問題がある場合は採用が難しくなることがある一方、違反歴があるだけで必ず不採用になるわけではないと説明しています。

採否の基準は会社ごとに異なります。

過去の違反や事故について質問された場合は、隠そうとするより、事実を説明したうえで現在どのように安全運転を意識しているかを伝えるほうがよいでしょう。

普通免許を持っていても二種免許の適性基準を満たす必要がある

未経験者の場合、普通第一種免許だけでタクシー会社へ応募し、入社後に普通第二種免許を取得する会社があります。

ここで見落としやすいのが、普通第一種免許と普通第二種免許では適性試験の基準が同じではないことです。

第二種免許では、視力について、

両眼で0.8以上
かつ一眼それぞれ0.5以上

が必要です。

さらに、奥行きを見る能力を確認する深視力検査があります。

三棹法という検査を2.5メートルの距離で3回行い、その平均誤差が2センチメートル以下であることが基準です。

普段問題なく普通車を運転している人でも、二種免許の適性試験では別の基準を満たす必要があります。

「普通免許があるから二種免許も必ず取れる」とは限りません。

視力や深視力に不安がある人は、会社へ応募する前に二種免許の適性基準を確認しておくとよいでしょう。

健康状態も面接後の採用判断に関係する

会社によっては、面接後に健康診断を行ってから内定を決めます。

たとえば日本交通では、

面接
↓
健康診断
↓
内定

という採用フローを案内しています。

同社は健康診断について、深刻な病気を抱えていないかを確認すると説明しています。

タクシーは長時間の運転を伴うため、乗務へ支障が出る状態では安全面の問題につながります。

ただし、

「持病がある=タクシー会社には採用されない」

と一括りにはできません。

健康状態の判断は個別の状況や会社によります。

気になることがある場合は、自分で採用可否を決めつけず、応募先の採用担当へ確認してください。

志望動機が「運転が好き」だけでは弱くなることがある

タクシー会社の面接では志望動機を聞かれることがあります。

国際自動車では、面接で必ず行う質問として、

「志望動機」
「職歴について」
「ドライバーとしてどのような仕事、活躍をしたいか」

を挙げています。

そのため、

「運転が好きだからです」

だけでは、タクシーという仕事を選んだ理由が十分に伝わらない可能性があります。

難しい志望動機を作る必要はありません。

たとえば、

これまで運転職をしてきた経験を活かしたい
一人で仕事を進める時間が長い働き方に魅力を感じた
接客を含む仕事へ挑戦したい
長く運転職として働きたい

など、自分がタクシーへ転職しようと思った理由を具体的に説明できれば十分です。

前職を辞めた理由だけで話を終わらせない

中途採用では、前職の退職理由を聞かれることがあります。

ここで、

「上司が嫌だった」

「仕事がきつかった」

「給料が安かった」

という不満だけで終わると、「タクシーもすぐ辞めるのでは」と受け取られる可能性があります。

嘘をついて前職を美化する必要はありません。

たとえば、

「荷物の積み降ろしを長く続けるのが難しくなり、運転経験を活かせる別の仕事を探しています」

のように、

前職を辞める理由
↓
なぜタクシーを選ぶのか

までつなげて説明すると、転職理由が伝わりやすくなります。

接客への姿勢も見られる

タクシーは、一人で乗務する時間が長い一方で接客業でもあります。

そのため、面接で極端に受け答えができない、相手の話を聞かない、横柄な態度を取るといった場合は、乗客対応への不安につながります。

ただし、話し上手である必要はありません。

タクシーの接客で必要なのは、常に会話を盛り上げる能力ではなく、

質問されたら答える
目的地を確認する
必要な説明をする
相手の話を聞く

といった基本的な対応です。

「人前で話すのが得意ではないから不採用になる」と考える必要はありません。

落ち着いて質問を聞き、普通に受け答えできることのほうが重要です。

身だしなみは接客する仕事として考える

タクシー運転手は乗客と近い距離で接する仕事です。

そのため、面接時の服装や清潔感も「実際に乗客へ対応する姿」を想像する材料になります。

高価なスーツを用意する必要はありません。

清潔な服装で、髪やひげなどを整え、約束した時間に遅れないといった一般的な面接準備で十分です。

特別な面接テクニックより、

「この人なら乗客の前に出ても問題なさそうだ」

と思ってもらえる状態を意識したほうがよいでしょう。

職歴の空白だけで諦める必要はない

転職回数や無職期間があることで、

「タクシー会社の面接で落とされるのでは」

と心配する人もいるでしょう。

少なくとも、職歴の空白期間だけを一律に不採用とするわけではない会社があります。

大和自動車交通は採用に関する質問で、「職歴に空白期間がある」ことについて問題ないと案内しています。

重要なのは、空白期間を隠すことではなく、聞かれたときに説明できることです。

職歴や退職時期について、履歴書と面接で話す内容が食い違わないよう整理しておくとよいでしょう。

面接に通っても健康診断や二種免許取得で止まる可能性がある

「面接で落ちる理由」というと、受け答えばかりが気になります。

しかし未経験者の場合は、面接だけで乗務開始が決まるわけではありません。

会社によって流れは異なりますが、

応募
↓
面接
↓
健康診断
↓
採用
↓
普通第二種免許取得
↓
研修
↓
乗務開始

という段階があります。

そのため、

面接は問題なかった
↓
健康面の確認が必要になった

あるいは、

採用された
↓
二種免許の適性試験で基準を満たせなかった

ということも考えられます。

タクシー転職では「面接に受かること」だけではなく、「乗務開始まで進める条件がそろっていること」が必要です。

面接前に確認しておきたいこと

応募する前に、次の部分を整理しておくと面接で慌てにくくなります。

確認すること見るポイント
運転免許普通免許の取得時期、AT限定の有無
運転経歴事故・違反について聞かれても説明できるか
二種免許視力・深視力などの適性基準
健康長時間運転に不安があることはないか
志望動機なぜタクシーなのか説明できるか
退職理由前職から転職する理由を整理できているか
勤務条件隔日勤務・日勤など希望と求人が合っているか
給与給与保証や保証終了後の仕組みを理解しているか

特に未経験者は、志望動機を完璧に暗記することより、この条件を自分で理解しておくことが重要です。

面接は会社側だけでなく自分が確認する場でもある

タクシー会社によって、勤務形態、給与、二種免許取得支援、研修内容は違います。

そのため、面接では採用されることだけを考えず、自分からも確認してください。

たとえば、

「未経験者は入社後どのような研修を受けますか」

「二種免許取得中や研修中の給与はいくらですか」

「給与保証終了後はどのように給与が決まりますか」

「希望する勤務形態で働けますか」

といった質問です。

大和自動車交通も、面接で疑問に感じることは質問し、納得して入社してほしいと案内しています。

条件を聞いたから不利になると考える必要はありません。

むしろ入社後の「聞いていた話と違う」を防ぐために必要な確認です。

不採用になっても「タクシー運転手に向いていない」とは限らない

一つのタクシー会社で不採用になったからといって、タクシー運転手そのものになれないとは限りません。

会社ごとに採用基準や募集条件は異なります。

ただし、原因によって対応は変わります。

志望動機や面接での説明が不十分だったのであれば、次の応募までに整理できます。

希望する勤務条件と募集条件が合わなかったのであれば、別の勤務形態を募集する会社を探せます。

一方、二種免許の適性基準など、乗務そのものに必要な条件であれば、別会社へ応募しても同じ問題が残る可能性があります。

大切なのは、

「会社ごとの採用条件なのか」

「タクシーを運転するために必要な条件なのか」

を分けることです。

応募する前に免許・運転歴・勤務条件の3つを確認する

タクシー会社の面接が不安なら、まず応募予定の会社を2~3社選びます。

そのうえで、

自分の免許で応募できるか
過去の運転経歴について何を確認されるか
希望する勤務形態で募集しているか

を確認してください。

普通第二種免許を持っていないなら、二種免許取得支援と適性試験の基準も確認します。

ここまで整理したあとに、

「なぜタクシーへ転職したいのか」

「なぜその会社を選んだのか」

「これまでどんな仕事をしてきたのか」

を自分の言葉で説明できるようにして面接へ進めば十分です。

タクシー会社の採用では、面接の話し方だけが合否を決めるわけではありません。

安全に運転できること、乗客へ適切に対応できること、必要な勤務を続けられることを含めて確認されます。

面接テクニックを覚える前に、自分の運転歴・二種免許の条件・健康・勤務条件を整理しておくことが、採用前の準備として重要です。

出典

厚生労働省|職業情報提供サイト(job tag) タクシー運転手
警視庁|適性試験の合格基準
日本交通株式会社|採用までの流れ
国際自動車株式会社|タクシー会社の面接に落ちる理由は?面接対策や受け答えのコツを紹介
国際自動車株式会社|ドライバー(運転手)の面接でよく聞かれることとは何ですか?
大和自動車交通株式会社|採用よくあるご質問