資格なし・未経験でも正社員に転職できる?タクシー運転手という選択

「特別な資格がない」「経験のある業界もない」「それでも正社員として働きたい」。

こうした人にとって、タクシー運転手は検討できる仕事の一つです。

タクシー運転手として乗務するには普通自動車第二種免許が必要ですが、応募時点で持っている必要がない会社もあります。普通自動車第一種免許を持つ未経験者を採用し、入社後に会社の制度を使って第二種免許を取得する仕組みです。

そのため、「今はタクシーの資格を持っていないから応募できない」と考える必要はありません。

ただし、「資格なし」の意味には注意が必要です。普通自動車免許まで持っていなくてもすぐタクシー運転手になれる、という意味ではありません。

また、正社員募集であっても、免許取得中から正社員になる会社と、養成期間は契約社員などで第二種免許取得後に正社員になる会社があります。

資格や経験に自信がない人ほど、この違いを確認して求人を選ぶことが重要です。

タクシー運転手は未経験からでも目指せる

厚生労働省の職業情報では、タクシー運転手について学歴や経験は問われないとされています。

必要になるのは、乗客を乗せて営業運転をするための普通自動車第二種免許です。

しかし、第二種免許を持っていない人を採用し、入社後に免許取得のための養成を行うタクシー会社があります。

実際に現在の募集要項でも、日本交通は普通第一種免許しか持っていない人を正社員のタクシードライバーとして募集し、教育制度を利用して第二種免許を取得できるとしています。

伊予鉄タクシーなどにも、普通第一種免許保有者を対象とした第二種免許取得支援制度があります。

つまり、

「タクシー経験なし」
「第二種免許なし」
「専門資格なし」

という状態でも、普通免許など会社が定める応募条件を満たしていれば、正社員への転職を目指せる求人は実際にあります。

「資格なし」といっても普通自動車免許は確認が必要

ここは誤解しやすいところです。

タクシーの仕事に必要な第二種免許を持っていなくても応募できる会社はありますが、普通自動車第一種免許まで不要というわけではありません。

第二種免許の受験資格は、原則として21歳以上で、普通免許などを受けていた期間が通算3年以上です。

一定の教習を修了することで、19歳以上かつ普通免許などの保有期間1年以上に引き下げられる特例もあります。

タクシー会社側の応募条件はさらに異なり、「普通免許取得後3年以上」とする会社もあれば、特例制度を利用して1年以上から応募できる会社もあります。

したがって、自分が応募できるか確認するときは、第二種免許の有無だけを見るのではなく、

普通免許を持っているか
普通免許を取得してから何年経過しているか
応募先がどの条件を採用しているか

を見る必要があります。

普通免許そのものを持っていない場合は、「今すぐ未経験からタクシー正社員へ」という選択肢とは分けて考えた方がよいでしょう。

資格なしから入りやすいのは「入社後に覚える仕組み」があるから

未経験から正社員を目指す場合、問題になるのが「経験者でなければ採用されない」という壁です。

タクシー会社では、この部分を入社後の教育で補う仕組みを持つ会社があります。

第二種免許を持っていない人なら、まず免許を取得します。

その後、接客、安全運転、料金機器や配車システムの操作などを学び、会社によっては先輩社員が同乗して実際の営業方法を教えます。

一般的には、

普通免許で応募する
↓
採用される
↓
第二種免許を取得する
↓
社内研修を受ける
↓
同乗研修などを受ける
↓
一人で乗務を始める

という流れになります。

転職前に専門学校へ通ったり、新しい資格を自費で取ってから応募したりする仕事とは、入口が異なります。

「資格を取ってから仕事を探す」のではなく、「採用後に仕事に必要な資格と技能を身につける」という求人を選べるのが、未経験者にとっての特徴です。

正社員募集でも「いつから正社員か」は会社によって違う

「正社員」と書かれている求人でも、第二種免許を持っていない人の扱いは同じではありません。

日本交通の募集要項では、タクシードライバーの雇用形態を正社員とし、普通第一種免許しか持っていない人も応募対象としています。

一方、名鉄東部交通の養成タクシードライバーは、第二種免許の取得期間を契約社員とし、免許取得後に試用期間を経て正社員として採用する仕組みです。

どちらがよいという話ではありません。

ただ、「次の仕事では最初から正社員になりたい」という人にとっては大きな違いです。

求人を見るときは「正社員登用あり」という言葉だけではなく、

応募した時点の雇用形態
第二種免許取得中の雇用形態
免許取得後に正社員になる条件

まで確認してください。

第二種免許取得費用が会社負担でも条件は確認する

未経験者向け求人では、「第二種免許取得費用を会社が負担」とするタクシー会社があります。

自分で第二種免許を取得してから転職する必要がないため、大きなメリットです。

ただし、「会社負担」と書かれていれば条件がすべて同じというわけではありません。

たとえば梅田交通グループでは、第二種免許取得費用を会社が全額負担するとしながら、入社から3年以内に退職した場合には返金が必要としています。

名鉄東部交通では取得費用を会社が貸与し、勤続3年経過後は返還不要としています。

そのため、求人票では「全額会社負担」だけを見ず、

一定期間働けば返還不要なのか
早期退職した場合に返還が必要なのか
取得期間中にも給与が出るのか

まで確認した方がよいでしょう。

特に未経験の場合、実際に働いてみて仕事が合わない可能性もあります。

入社前に免許取得費用の扱いを確認しておけば、「辞めたいけれど免許代の返還があるとは知らなかった」という事態を避けやすくなります。

正社員になれば毎月同じ給料とは限らない

「正社員になりたい」という人の中には、収入を安定させたいと考えている人も多いでしょう。

ここでも、一般的な正社員のイメージだけで判断しないことが大切です。

タクシー会社では、固定給に売上に応じた歩合給を組み合わせている場合があります。

そのため、正社員であっても毎月の給与が完全に一定とは限りません。

未経験者向けに、乗務開始から一定期間の給与を保証する制度を設けている会社もありますが、保証期間が終了した後は給与体系が変わる場合があります。

求人を比較するときは「正社員かどうか」だけではなく、

研修期間中はいくら支給されるか
乗務開始後に給与保証があるか
給与保証は何か月続くか
保証終了後は固定給と歩合給がどうなるか

まで見ておく必要があります。

正社員になることが目的ではなく、「生活できる収入を得ながら長く働くこと」が本来の目的なら、こちらの方が重要です。

資格や職歴に自信がない人ほど会社選びが重要

未経験者を募集している会社だからといって、どの会社でも条件が同じではありません。

たとえば次のような違いがあります。

確認する項目見るポイント
応募資格普通免許の保有期間、年齢など
雇用形態入社時から正社員か、養成期間は別雇用か
第二種免許取得支援の有無、自己負担額
返還条件早期退職時に免許取得費用の返還があるか
研修期間研修中にも給与が支給されるか
給与保証金額だけでなく保証期間も確認する
保証終了後固定給と歩合給の仕組みを確認する
勤務形態日勤、夜勤、隔日勤務など
研修内容接客、運転、同乗研修などがあるか

特に未経験の場合、求人広告に出ている最高月収だけで選ばない方がよいでしょう。

最初に必要なのは、「自分でも始められるか」「仕事を覚えるまで生活できるか」「その後も続けられるか」を確認することです。

タクシー運転手になりたい人だけが選ぶ仕事ではない

転職先を探している人の中には、最初からタクシー運転手を目指しているわけではない人もいます。

「正社員になりたい」
「資格がなくても応募できる仕事を探している」
「これまでとは違う仕事に移りたい」
「長期間勉強して資格を取ってから転職する余裕はない」

という条件から仕事を探した結果、タクシーが候補になることもあります。

その場合、「車が好きだからタクシー」という考え方だけで判断する必要はありません。

普通免許がある
運転そのものに大きな抵抗がない
乗客への接客ができる
会社の研修を受けて仕事を覚える意思がある
勤務時間や給与体系が自分の生活に合う

のであれば、未経験から正社員を目指す選択肢として調べてみる価値があります。

逆に、運転を仕事にすること自体が不安だったり、歩合給による収入の変動を避けたかったりするなら、「資格なしから入れる」という理由だけでタクシーを選ぶ必要はありません。

まず第二種免許を取るのではなく、求人を3社比較する

資格を持っていないからといって、先に自費で第二種免許を取る必要があるとは限りません。

未経験から転職するなら、最初にやることは通勤できる範囲のタクシー会社を3社程度探すことです。

そして、

応募資格
最初から正社員か
第二種免許取得費用
早期退職時の返還条件
研修中の給与
給与保証終了後の給与体系

を並べてみてください。

同じ「未経験歓迎・正社員募集」でも、ここまで比べると条件にはかなり違いがあります。

資格や経験がない状態から正社員を目指す場合、本当に必要なのは「応募できる会社を1社見つけること」ではありません。

今の自分でも入社でき、必要な資格を取得しながら仕事を覚え、その後も生活を続けられる会社を見つけることです。

タクシー運転手は、その条件を満たす可能性がある仕事の一つとして考えるとよいでしょう。

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二種免許がないなら、応募できる条件を確認します。
→ 二種免許なしでもタクシー運転手に転職できる?

面接が不安なら、聞かれる内容を確認します。
→ タクシー会社の面接では何を聞かれる?未経験者の面接対策

出典

厚生労働省|職業情報提供サイト(job tag) タクシー運転手

警察庁|第二種免許等の受験資格の見直しについて(令和4年5月13日)

日本交通|募集要項

伊予鉄グループ|伊予鉄タクシー株式会社:通年採用

名鉄東部交通株式会社|募集要項

梅田交通グループ|よくある質問