40代・50代で体力仕事から転職したい|タクシーはどう?

建設、工場、倉庫、配送、警備など、体を使う仕事を長く続けてきたものの、「40代・50代になって、この働き方をあと10年、20年続けられるだろうか」と感じることがあります。

そんなとき、転職先の候補になるのがタクシー運転手です。

タクシーは、重量物を一日中運んだり、炎天下で立ち続けたりする仕事ではありません。乗務中は車内で運転する時間が中心になるため、体力仕事から移った場合、筋力面の負担は軽くなる可能性があります。

実際、タクシー運転手の全国平均年齢は56.8歳です。40代・50代が珍しい仕事ではありません。

ただし、「座って運転するだけだから楽」と考えるのは違います。

長時間の運転、同じ姿勢、夜間勤務、乗客への接客、安全運転への集中など、体力仕事とは別の負担があります。

体力的に今の仕事がつらくなって転職を考えるなら、「体を使わなくて済むか」ではなく、「今の負担を、タクシーの働き方に置き換えた方が長く続けられるか」で判断した方がよいでしょう。

重い物を持つ仕事から離れたい人には候補になる

タクシー運転手の中心業務は、乗客を目的地まで安全に運ぶことです。

工場や倉庫のように一日中立って作業したり、建設現場のように屋外で体を動かし続けたり、配送業のように何度も荷物を運んだりする仕事とは性質が違います。

そのため、

腰への負担が大きい荷物運びを減らしたい
炎天下や寒い屋外での仕事を避けたい
一日中立ち続ける仕事がきつい
年齢とともに作業スピードを維持するのが難しくなってきた

という人なら、タクシーへ転職することで負担の種類を変えられる可能性があります。

特に、「働くこと自体を減らしたいのではなく、今の肉体労働を続けるのが難しくなってきた」という人には検討しやすい仕事です。

ただし荷物をまったく持たない仕事ではない

タクシーは運転だけをしていればよいわけではありません。

乗客のスーツケースなど大きな荷物をトランクへ積むことがあります。

乗客の乗り降りを手伝ったり、業務によっては車椅子の積み込みを補助したりする場合もあります。

出庫前の車両点検、車内外の清掃なども仕事に含まれます。

そのため、腰や肩への負担を完全になくしたい人の場合は、「タクシーなら問題ない」と決めつけない方がよいでしょう。

会社説明会や面接では、乗客の荷物をどの程度扱うのか、福祉関係の送迎を担当することがあるのかなども確認できます。

体力仕事とは違う「長時間座る負担」がある

体力仕事からタクシーへ転職したとき、最も変わるのが姿勢です。

これまで歩いたり立ったりして仕事をしていた人でも、タクシーでは長時間運転席に座ることになります。

肉体労働より楽に感じる人もいれば、腰や首、肩がつらくなる人もいます。

特に長時間運転では、自分で休憩を取りながら体を動かすことが重要になります。

「体を使う仕事がつらいから、座る仕事なら何でも楽」と考えるのではなく、自分が長時間の運転に耐えられるかも考えておきましょう。

休日に2~3時間運転しただけで腰や肩がかなりつらくなる人なら、勤務時間の短い日勤から検討した方が合う可能性があります。

一番確認したいのは「日勤か隔日勤務か」

40代・50代で体力を理由に転職するなら、会社名より先に勤務形態を確認した方がよいでしょう。

タクシー会社には大きく分けて、昼間を中心に働く日勤と、1回の勤務時間が長い隔日勤務があります。

厚生労働省の基準では、タクシーの日勤勤務は1日の拘束時間が原則13時間以内、上限15時間とされています。

隔日勤務では2暦日の拘束時間が22時間以内で、2回の隔日勤務を平均して1回21時間以内とされています。

ここでいう拘束時間には休憩時間も含まれるため、ずっと運転し続けるという意味ではありません。

それでも、隔日勤務は1回の仕事が長い勤務形態です。

体力仕事を辞める理由が「長時間勤務そのものがもうつらい」という場合は、隔日勤務に変えれば解決するとは限りません。

日勤を選べる会社もある

タクシーと聞くと「朝から翌朝まで働く」というイメージを持つかもしれませんが、すべての会社が隔日勤務だけではありません。

実際に、日勤と隔日勤務から選択できる会社があります。

たとえば国際自動車では、日勤は月22日乗務で実働7時間45分、隔日勤務は月11回乗務で実働15時間30分という募集があります。

体力仕事からの転職なら、求人を見るときに「タクシー会社かどうか」だけを見るのではなく、

日勤があるか
夜勤を避けられるか
出勤時刻を選べるか
隔日勤務しかないのか

まで確認すると、自分に合う会社を探しやすくなります。

「出勤回数が少ない=体が楽」とは限らない

隔日勤務には、1回長く働き、その翌日を明け休みにする働き方があります。

月の乗務回数が11~13回程度になる会社もあり、カレンダー上では出勤日が少なく見えます。

「月に12回程度なら楽そうだ」と感じるかもしれません。

しかし、1回の勤務は長くなります。

体力の使い方としては、

短めの勤務を月20日前後続ける日勤
長い勤務を月11~13回程度行う隔日勤務

という違いです。

どちらが楽かは人によって異なります。

毎朝出勤することが苦にならない人なら日勤の方が合うことがあります。

逆に、まとまった休みを取りながら働きたい人なら隔日勤務が合う可能性があります。

夜勤が体力的につらいなら収入だけで選ばない

タクシーでは、夜間や深夜に需要が増える地域があります。

そのため、収入を重視すると夜間を含む勤務が候補になることがあります。

しかし、今回の転職理由が「40代・50代になって体力的に今の仕事が厳しくなってきた」というものであれば、最高収入だけで勤務形態を決めない方がよいでしょう。

夜勤に慣れていない人が、

昼間の肉体労働
↓
深夜まで運転するタクシー勤務

へ変わった結果、別の意味で体がつらくなる可能性もあります。

収入と体への負担の両方を見て選ぶ必要があります。

40代・50代からでも年齢面では珍しくない

体力仕事から転職したいと思っても、「今さら未経験職へ行けるのか」という問題があります。

この点では、タクシーは比較的検討しやすい仕事です。

令和7年の賃金構造基本統計調査をもとにした職業情報では、タクシー運転手の全国平均年齢は56.8歳です。

つまり、50歳で入社しても、その業界では特別に年齢が高いとは限りません。

厚生労働省の職業情報でも、タクシー運転手になるために学歴や経験は問われないとされています。

第一種普通免許の保有者を採用し、第二種免許を取得するための養成を行う会社もあります。

体力仕事しか経験してこなかった人でも、異業種から転職できる余地があります。

現場仕事で身につけた経験が無駄になるわけではない

建設、工場、配送、警備などからタクシーへ移ると、仕事は大きく変わります。

それでも、これまでの経験がすべて使えなくなるわけではありません。

たとえば現場仕事では、

時間を守る
安全確認をする
周囲の状況を見る
一人で判断して動く
お客様や取引先に対応する

といったことを日常的に行っている人も多いでしょう。

タクシーでも、安全確認や状況判断は重要です。

配送や営業で車を使ってきた人なら、長時間の運転や道路状況への対応に慣れている場合もあります。

前職の肩書きより、「これまで何を普通にやってきたか」を考えた方が、タクシーとの相性を判断しやすくなります。

トラックや配送からの転職なら違いをはっきりさせる

運転職からタクシーへの転職を考える人もいるでしょう。

たとえばトラックの場合、運転以外に荷積み・荷降ろしがある仕事では、体への負担が大きくなることがあります。

タクシーも荷物の積み込みを手伝うことはありますが、貨物の積み降ろしが仕事の中心ではありません。

そのため、

運転自体は嫌いではない
荷積み・荷降ろしがつらくなった
大型車の乗降や荷役がきつい
運転の仕事は続けたい

という人なら、タクシーは比較対象になります。

一方で、トラックでは基本的に一人で運転していたのに対し、タクシーでは車内に乗客がいます。

運転の身体的負担だけでなく、接客への向き不向きも考える必要があります。

工場・倉庫・建設からなら接客の違いも考える

体力仕事から離れたい人にとって、タクシーの大きな違いは接客です。

一人で作業する時間が長かった人の場合、乗客とのやり取りに慣れる必要があります。

とはいえ、長時間会話し続ける仕事とは限りません。

目的地を確認し、安全に運転し、必要な応対をするのが基本です。

人と話すことが得意でなくても仕事はできますが、

知らない人を車に乗せること自体が大きなストレスになる
クレーム対応を極力したくない
運転中に話しかけられると集中できない

という場合は、体力面だけでタクシーを選ばない方がよいでしょう。

自分がタクシーへ移るべきかは「今つらいもの」で考える

体力仕事から転職したい理由によって、タクシーが合うかは変わります。

今つらいことタクシーに変えると
重い荷物を何度も持つ大幅に減る可能性がある
一日中立ち仕事運転席に座る時間が中心になる
炎天下・寒い屋外作業車内中心になる
荷積み・荷降ろし基本業務ではなくなる
毎日同じ現場作業乗客・行き先が変わる
長時間勤務隔日勤務では解決しない可能性がある
夜勤がつらい日勤を選べる会社を探す必要がある
腰がつらい荷役は減るが長時間座位には注意が必要
人間関係がつらい社内関係は減っても乗客対応はある

「体力仕事が嫌だ」というだけでは少し広すぎます。

自分が何につらさを感じているのかを一つずつ分けると、タクシーへ移る意味があるか判断しやすくなります。

体力面を優先するなら求人で5つを見る

40代・50代で長く働ける仕事へ移ることが目的なら、求人の月収額だけで会社を決めない方がよいでしょう。

最初に確認したいのは、

日勤を選べるか
1回の実働時間は何時間か
月の乗務回数は何回か
休憩をどのように取れるか
定年後も勤務できる制度があるか

です。

特に「今の仕事を60歳まで続けるのは無理そうだから転職する」という人なら、入社直後だけでなく、5年後、10年後にも続けられる勤務形態かを見る必要があります。

まず1日の勤務時間を見てから応募する

体力仕事から転職する場合、最初から「タクシーなら楽そう」と決める必要はありません。

通勤できる範囲のタクシー会社を3社程度探し、それぞれの募集要項で勤務時間を見てください。

そして、

日勤
隔日勤務
夜勤

のどれを募集しているのか確認します。

その中から、自分が5年後も続けられそうな勤務を選びます。

月収や給与保証を見るのは、その後でも遅くありません。

40代・50代の転職では、「採用される仕事」を探すだけではなく、「この先も続けられる仕事」を選ぶことの方が重要だからです。

体力仕事がつらくなった人にタクシーは候補になる。ただし負担がなくなるわけではない

タクシー運転手は、重量物を運び続けたり、一日中屋外で作業したりする体力仕事とは仕事内容が大きく違います。

全国平均年齢も56.8歳で、40代・50代から検討すること自体は不自然ではありません。

そのため、「今の肉体労働をこの先10年続けるのは厳しい。でもまだ働きたい」という人には、一度調べる価値があります。

ただし、負担がなくなるわけではありません。

長時間運転、同じ姿勢、接客、安全運転への集中、勤務時間によっては夜間の乗務があります。

大切なのは、「今の仕事より楽か」だけではなく、「負担の種類を変えれば自分は長く働けそうか」です。

まずは現在の仕事で一番つらいものを書き出し、タクシー会社3社の勤務形態と照らし合わせてみてください。

その結果、重い物を持つ仕事や屋外作業から離れられ、自分が続けられる勤務時間を選べるなら、タクシーは40代・50代からの転職先として現実的な候補になります。

次に読む記事


働き方の負担が気になるなら、勤務形態を比較します。
→ 昼勤・夜勤・隔日勤務はどれがいい?タクシーの働き方を比較

夜勤を避けたいなら、日勤求人を確認します。
→ 日勤だけのタクシー求人はある?夜勤なしで働く方法

長く続けられるか心配なら、体力面を確認します。
→ タクシー運転手は体力的に何歳まで続けられる?

出典

厚生労働省|職業情報提供サイト(job tag) タクシー運転手

厚生労働省|ハイヤー・タクシー運転者の改善基準告示

厚生労働省|令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況

国際自動車株式会社|タクシードライバー 募集要項