昼勤・夜勤・隔日勤務はどれがいい?タクシーの働き方を比較

タクシー運転手には、主に「昼勤」「夜勤」「隔日勤務」の3つの働き方があります。

どれが一番いいかは、何を優先するかで変わります。

生活リズムを崩したくないなら昼勤、夜型で収入を伸ばしたいなら夜勤、出勤回数を減らしてまとまった自由時間を取りたいなら隔日勤務が比較しやすいでしょう。

ただし、「夜勤なら必ず一番稼げる」「隔日勤務なら休みが一番多くて楽」と単純には決められません。

営業地域、配車環境、勤務時間、体力との相性まで含めて選ぶ必要があります。

昼勤・夜勤・隔日勤務の違い

まず3つの勤務を大きく比べると、次のようになります。

比較昼勤夜勤隔日勤務
主な時間帯朝~夕方夕方・夜~翌朝朝など~翌日深夜・早朝
1回の実働例7~8時間前後7~8時間前後14~16時間前後
月の乗務例20~24回前後20~24回前後11~12回前後
生活リズム整えやすい夜型になる独特
夜間営業少ない多いあり
出勤回数多い多い少ない
明け休みなしなしあり
向きやすい人昼型・生活重視夜型・収入重視通勤回数・自由時間重視

これは一般的なイメージです。

実際の始業・終業時間や乗務回数は会社によって違います。

例えば日の丸交通では、昼日勤・夜日勤を月22乗務・1乗務実働7時間45分、隔日勤務を月11乗務・1乗務実働16時間としています。

大和自動車交通では、昼間・夜間勤務を月24回、隔日勤務を月12回とする営業所もあります。

勤務形態の名称だけではなく、応募する営業所の実際の勤務表を確認することが必要です。

昼勤は生活リズムを整えやすい

昼勤は、朝に出勤して夕方ごろまで働く勤務です。

一般的な会社員に近い生活を続けやすいことが大きな特徴です。

例えば、

朝7時ごろ出勤
↓
昼間に営業
↓
夕方に帰庫
↓
夜は自宅で過ごす

といった生活になります。

夜に睡眠を取り、朝起きる生活を維持しやすいため、

・夜勤が苦手
・睡眠リズムを崩したくない
・家族と夜を過ごしたい
・50代、60代から無理なく続けたい

という人には候補になります。

昼でもタクシー需要はある

「タクシーは夜のほうが客が多いから、昼勤では稼げないのでは」と考えるかもしれません。

しかし昼間にも、

・病院への通院
・買い物
・駅からの移動
・仕事での移動
・ホテル利用客
・高齢者の移動

などの需要があります。

特に住宅地、病院、駅、オフィス街などでは昼間の需要があります。

ただし、深夜の帰宅需要などを営業できないため、勤務地域によっては夜勤や隔日勤務より売上を伸ばしにくい場合があります。

「昼勤だから稼げない」ではなく、自分が働こうとしている地域で昼間にどの程度の需要があるかを見る必要があります。

夜勤は夜型生活ができるかが分かれ目

夜勤は、夕方や夜から勤務を始め、深夜から早朝にかけて働く勤務です。

タクシー会社では「夜日勤」と呼ばれることもあります。

例えば大和自動車交通の営業所では、

21時~翌7時
実働8時間
休憩2時間
月20回乗務

という夜日勤務の例があります。

日の丸交通では、夜日勤を月22乗務・実働7時間45分としています。

1回の労働時間は隔日勤務ほど長くありませんが、生活そのものが夜型になります。

夜勤は収入を伸ばしやすい場合がある

夜間には、

・会食後の帰宅
・繁華街からの移動
・終電後の帰宅
・深夜の長距離利用

などの需要があります。

そのため都市部などでは、夜勤は売上を伸ばす機会を作りやすい勤務形態です。

夜間・深夜帯を営業する隔日勤務も同様です。

ただし、

「夜勤なら誰でも昼勤より稼げる」

わけではありません。

地方都市では深夜になると人の動き自体が少なくなる地域もあります。

配車アプリや無線の利用量、繁華街の規模、営業区域によって違うため、応募する会社で昼勤と夜勤それぞれの売上実績を確認する必要があります。

夜勤の一番の問題は睡眠リズム

収入面だけを見て夜勤を選ぶと、合わない場合があります。

例えば翌朝7時に勤務が終われば、帰宅して昼間に睡眠を取る生活になります。

昼間は、

・外が明るい
・家族が活動している
・宅配や生活音がある

など、夜とは睡眠環境が違います。

昼間でも十分眠れる人には合いやすい一方、昼間に眠れない人は疲労が蓄積する可能性があります。

「夜更かしできる」と「夜勤を何年も続けられる」は別です。

夜勤を選ぶなら、休日も含めてどのような睡眠リズムになるのかを考えておいたほうがよいでしょう。

隔日勤務は1回長く働いて翌日休む

隔日勤務は、1回で2日分に近い勤務をまとめるタクシー特有の働き方です。

例えば大和自動車交通では、

7時45分~翌1時
休憩3時間
月12回乗務

という勤務例があります。

国際自動車では、隔日勤務を月11回乗務、1乗務の実働15時間30分・休憩3時間としています。

日の丸交通では月11乗務、実働16時間・別途休憩3時間です。

1回の勤務は長い一方、翌日は「明け休み」になります。

隔日勤務は出勤回数を減らせる

例えば月22回の昼勤なら、営業所へ22回出勤します。

隔日勤務が月11回なら、出勤回数はその半分程度です。

営業所まで片道40分かかる場合、

毎月22往復するのか
11往復するのか

でも通勤負担は変わります。

そのため、

・会社まで少し距離がある
・毎日通勤するのが負担
・出勤日と休む日をはっきり分けたい

という人には隔日勤務が合う可能性があります。

明け休みは普通の休日とは少し違う

隔日勤務では、乗務を終えた日が明け休みになります。

例えば午前1時に仕事を終えれば、その日は次の乗務まで休みです。

ただし、前日から長時間働いた直後です。

自宅へ帰り、睡眠を取れば、明け休みの一部は身体を回復させる時間になります。

そのため、

「月11回しか働かないから、残り20日は全部休日」

と考えるのは適切ではありません。

明け休みとは別に公休が設定されています。

会社選びでは、

乗務日
明け休み
公休

を分けて確認してください。

法律上は昼勤と夜勤はどちらも「日勤」

厚生労働省の改善基準では、昼勤・夜勤という分け方ではなく、「日勤」と「隔日勤務」に分けて拘束時間などが定められています。

日勤とは、基本的に始業と終業が同じ日に属する勤務です。

現在の基準では、日勤勤務者について、

1日の拘束時間は原則13時間以内
延長しても最大15時間
休息期間は継続11時間以上を基本とし、9時間を下回らない

とされています。

隔日勤務では、

2暦日の拘束時間22時間以内
2回の隔日勤務を平均して1回21時間以内
勤務後の休息は24時間以上を基本とし、22時間を下回らない

という基準です。

実際の会社の勤務時間は、この上限より短いケースがあります。

50代・60代なら昼勤が必ずいいとは限らない

年齢が上がれば、

「昼勤のほうが安全」

と思うかもしれません。

確かに夜間勤務や長時間の隔日勤務が身体に合わない人には、昼勤が選びやすいでしょう。

一方で昼勤は月20回以上出勤する会社もあります。

隔日勤務なら月11~12回程度の出勤で済むため、

「長い勤務には耐えられるが、毎日の通勤は減らしたい」

という人には隔日勤務のほうが合う場合があります。

年齢だけで決めるのではなく、

1回長く働くこと
毎日通勤すること
夜に働くこと

のどれが自分にとって負担なのかを分けて考えてください。

子育てや家庭との両立なら昼勤を確認する

夕方から夜に家にいたい人なら、昼勤が最も生活を組みやすくなります。

例えば、

・夕食を家族と取りたい
・子どもの送迎がある
・夜に介護などの予定がある

なら、隔日勤務や夜勤では難しい場合があります。

逆に昼間に家庭の用事が多い場合は、夜勤が生活に合うこともあります。

「休みが何日あるか」より、

「毎日何時に家にいる必要があるか」

で考えるほうが勤務形態を選びやすくなります。

収入重視でも夜勤だけを見ない

収入を優先するなら、夜勤は有力な候補になります。

夜間の需要が強い地域では売上を伸ばしやすいからです。

一方、隔日勤務も昼間から深夜まで営業するため、昼と夜の両方の需要を狙えます。

会社によっては隔日勤務を標準的な勤務として採用しています。

また給与は勤務時間帯だけではなく、

・営業地域
・歩合率
・配車アプリ
・無線配車
・専用乗り場
・法人契約

によっても変わります。

そのため「稼ぎたいから夜勤」と即決するより、同じ会社で昼勤・夜勤・隔日勤務の実際の売上を聞いたほうが確実です。

3つの働き方はこう選ぶ

大きく分けるなら、次のように考えられます。

優先したいこと比較しやすい勤務
夜に寝る生活を維持したい昼勤
家族と夜を過ごしたい昼勤
1回の勤務を短くしたい昼勤・夜勤
夜型生活が苦にならない夜勤
夜間需要を狙いたい夜勤・隔日勤務
収入を伸ばしたい夜勤・隔日勤務を含め比較
出勤回数を減らしたい隔日勤務
平日の自由時間が欲しい隔日勤務
長時間勤務が苦手昼勤・夜勤
毎日通勤するのが嫌隔日勤務

ただし、これは勤務形態そのものの比較です。

同じ昼勤でも会社によって始業時間や売上環境は違います。

求人では勤務名称ではなく実際の時刻を見る

求人に「昼勤」「夜勤」「隔日勤務」と書いてあるだけで判断しないほうがよいでしょう。

例えば夜勤でも、

17時~翌2時

と、

21時~翌7時

では生活がかなり違います。

隔日勤務でも、

7時~翌1時

と、

11時~翌5時30分

では睡眠時間や家族との時間が変わります。

会社説明会では、

「実際の始業・終業時刻を教えてください」

と確認してください。

複数の出庫時間から選べる会社もあります。

勤務形態を途中で変更できるかも確認する

入社前には隔日勤務が良いと思っていても、実際に働いたら身体に合わない可能性があります。

反対に、昼勤で始めたものの、

「もっと出勤回数を減らしたい」

と考えることもあります。

そのため会社を選ぶときは、

「昼勤・夜勤・隔日勤務を途中で変更できますか」

も確認しておくと安心です。

会社や営業所によっては、すべての勤務形態を募集しているとは限りません。

特に「昼日勤・夜日勤は応相談」としている会社もあるため、希望する働き方が実際に選べるかは応募前に確認してください。

迷ったら1か月の生活をカレンダーにして比べる

昼勤・夜勤・隔日勤務のどれがいいかは、勤務時間だけでは決めにくいものです。

まず候補の会社から、

昼勤の勤務表
夜勤の勤務表
隔日勤務の勤務表

を確認してください。

そのうえで、

起床
通勤
勤務
帰宅
睡眠
明け休み
公休

を1か月のカレンダーに当てはめてみます。

昼勤なら「毎日通う生活」、夜勤なら「昼間に眠る生活」、隔日勤務なら「長時間勤務と明け休みを繰り返す生活」が具体的に見えてきます。

収入も比較するなら、さらに会社へ、

「それぞれの勤務形態で、新人の平均的な営業売上と給与はいくらですか」

と聞いてください。

生活リズムと収入の両方を並べれば、「一般的にどれがいいか」ではなく、自分にとって続けやすい働き方を選べます。

次に読む記事


昼と夜で迷うなら、収入と生活を比較します。
→ タクシーの昼勤と夜勤はどっちが稼げる?収入と生活を比較

夜勤を避けたいなら、日勤求人を確認します。
→ 日勤だけのタクシー求人はある?夜勤なしで働く方法

睡眠が心配なら、生活リズムを確認します。
→ タクシー運転手は睡眠不足にならない?隔日勤務の生活リズム

出典

厚生労働省|ハイヤー・タクシー運転者の改善基準告示

厚生労働省|自動車運転者の労働時間等の改善のための基準の一部改正等について

国際自動車株式会社|タクシー運転手(タクシードライバー)の勤務内容・勤務時間について

大和自動車交通株式会社|採用よくあるご質問

日の丸交通株式会社|採用情報