タクシー運転手への転職が気になっていても、「本当に転職して大丈夫なのか」と迷う人は多いでしょう。
「やめとけという話を見る」
「仕事がきつそう」
「思ったより稼げなかったら困る」
「自分に向いているか分からない」
「自動運転が進んだら仕事がなくなるのでは」
こうした不安が一つでも残っているなら、先に確認してから応募しても遅くありません。
タクシーは、未経験から入れる会社があり、現在も求人需要の高い仕事です。一方で、歩合給、長時間の運転、接客、独特の勤務形態など、合う人と合わない人が分かれやすい部分もあります。
転職するか迷っているなら、「タクシーは良い仕事か悪い仕事か」で決めるのではなく、自分が気になっている点を一つずつ確認していきましょう。
そもそもタクシー運転手へ転職するのはありなのか
最初に知りたいのは、「タクシーを転職先として考えてよいのか」でしょう。
厚生労働省の職業情報では、タクシー運転手は学歴や経験を問わない仕事とされ、第一種免許を持つ人を採用して第二種免許取得のための養成を行う会社もあります。
令和7年度の有効求人倍率は全国で6.91倍です。
つまり、未経験者にとって入口が閉ざされた仕事ではありません。
一方で、タクシーは一般的な固定給の会社員とは働き方がかなり違います。
売上が給与へ影響する会社が多く、日勤だけでなく、1回の勤務が長い隔日勤務を採用している会社もあります。
「未経験から転職できるか」と「自分にとって良い転職になるか」は分けて考える必要があります。
まず、タクシー転職そのもののメリット・注意点から整理したい人はこちらです。
→タクシー運転手に転職するのはあり?未経験で入る前に知っておきたいこと
「タクシー運転手はやめとけ」を見て後悔が心配
タクシー転職について調べると、「やめとけ」「後悔した」という情報を目にすることがあります。
気になる言葉ですが、それだけで転職をやめる必要はありません。
重要なのは、なぜ後悔したのかを見ることです。
たとえば、
思ったより収入が安定しなかった
隔日勤務が生活に合わなかった
長時間運転がつらかった
接客が想像以上にストレスだった
会社選びを間違えた
といった理由なら、すべてのタクシー運転手に当てはまる問題ではありません。
反対に、自分にも同じ条件が当てはまりそうなら、入社前に慎重に考える必要があります。
「やめとけ」という言葉の結論だけではなく、自分が後悔しやすい条件に当てはまるかを確認してください。
→タクシー運転手はやめとけ?転職して後悔しやすい人・向いている人
「きつい」「稼げない」が一番気になっている
タクシー転職で迷う大きな理由が、仕事のきつさと収入です。
長時間運転や勤務時間が心配
タクシーは座って運転する仕事ですが、楽な仕事とは限りません。
長時間同じ姿勢で運転することがありますし、安全運転のため集中し続ける必要があります。
乗客への接客や、事故・トラブルへの対応もあります。
さらに勤務形態によって負担は変わります。
昼間を中心に働く日勤と、1回の勤務時間が長く翌日が明け休みになる隔日勤務では、生活リズムがかなり違います。
「タクシーはきついらしい」と漠然と考えるより、自分がどの負担を避けたいのかを確認した方が判断しやすくなります。
思ったより稼げなかったら困る
収入についても、求人広告の最高月収だけで判断しない方がよいでしょう。
厚生労働省の職業情報では、タクシー運転手の全国年収は450.8万円です。
ただし、これは全国平均です。
タクシー会社では売上に応じた歩合給を取り入れていることが多いため、地域、会社、勤務形態、本人の売上によって収入は変わります。
「頑張れば稼げる」という面だけでなく、「売上によって給与が動く」という面も理解しておく必要があります。
固定給との違い、歩合給の仕組み、給与保証終了後まで確認したい人はこちらです。
未経験なので、入社してから仕事ができるか不安
タクシーへ転職したことがない人には、仕事内容以前に「どうやって乗務員になるのか」が分かりにくいでしょう。
第二種免許を持っていない人の場合、一般的には会社へ応募し、採用後または入社前後に第二種免許を取得します。
その後、社内研修などを経て乗務を始めます。
つまり、応募した翌日から一人でお客さんを乗せて走るわけではありません。
一方で、
第二種免許取得中の雇用形態
研修期間中の給与
乗務開始までの日数
給与保証が始まる時期
などは会社によって違います。
未経験から転職するなら、仕事内容だけでなく「応募してから一人で乗務するまで」を知っておくと不安を減らせます。
→未経験からタクシー運転手になるには?応募から乗務開始までの流れ
自分がタクシー運転手に向いているのか分からない
転職できる条件を満たしていても、自分に仕事が合わなければ長く続きません。
タクシーでは、安全運転だけでなく乗客への対応も必要です。
その一方、一般的なオフィスワークのように、一日中同じメンバーと一緒に仕事をする時間は多くありません。
向き不向きを見るなら、
長時間の運転が苦にならないか
一人で判断して動くことができるか
知らない人への最低限の接客ができるか
売上を意識する働き方を受け入れられるか
トラブル時にも落ち着いて対応できそうか
といった点を確認すると分かりやすくなります。
「運転が好きだから向いている」「人と話すのが苦手だから向いていない」と一つの条件だけで決めない方がよいでしょう。
→タクシー運転手に向いている人・向いていない人|転職前の適性確認
職場の人間関係を減らしたい人はどうか
転職理由が「仕事そのものより職場の人間関係がつらい」という人もいます。
タクシーは乗務中の多くを一人で過ごします。
上司や同僚と同じ場所で一日中働く仕事とは違います。
ただし、完全に人と関わらない仕事ではありません。
毎日、乗客への接客があります。
「職場の人間関係を減らしたい」のか、「誰とも関わりたくない」のかによって、タクシーが合うかは変わります。
自動運転が進むなら、今から転職しても将来なくなるのでは
40代・50代から新しい仕事へ移るなら、「数年でなくなる仕事では困る」と考えるのは当然です。
タクシーでも自動運転の実用化は進んでいます。
国土交通省によると、Waymo、日本交通、GOは2027年中に東京で自動運転レベル4による商用タクシー運行を目指しています。
ほかにも複数の地域で自動運転タクシーの事業化が計画されています。
そのため、「自動運転はまだ遠い未来だから考えなくてよい」とは言えません。
一方で、現在公表されている計画は、まず特定の地域・エリアから導入を進める段階です。
国土交通省は2030年度に、バス・タクシー・トラックを合わせて自動運転サービス車両1万台の導入を目標としています。
現在のタクシー運転手の有効求人倍率も全国6.91倍です。
少なくとも現時点では、「自動運転が始まるから、今からタクシー運転手になってもすぐ仕事がなくなる」と判断できる状況ではありません。
ただし、長期的には仕事の内容や必要な人員が変化する可能性があります。
自動運転がどこまで進んでいるのかを含めて考えたい人はこちらです。
→タクシー運転手は将来なくなる?自動運転時代に転職して大丈夫?
タクシー転職で迷っているなら、この順番で判断する
ここまでの内容を一度に全部考える必要はありません。
まず、「何が理由でタクシーへの転職を決め切れないのか」を一つ選びます。
後悔が心配なら、後悔する理由を見る。
仕事のきつさが心配なら、勤務時間や仕事内容を見る。
収入が心配なら、歩合給と保証終了後の給与を見る。
自分に合うか心配なら、向き不向きを確認する。
将来が心配なら、自動運転の現在地を見る。
それぞれ確認しても、「この条件なら自分は続けられそうだ」と思えるなら、そこで初めて会社選びへ進めばよいでしょう。
反対に、タクシー特有の働き方が自分には合わないと分かったなら、応募前に候補から外すことも一つの判断です。
転職すると決めたら「どの会社でも同じ」と考えない
タクシーへの転職そのものに納得できても、会社選びで条件は変わります。
給与保証、歩合率、勤務形態、第二種免許取得支援、配車アプリ、事故時の負担、研修制度などは会社によって違います。
タクシーに向いている人でも、会社が合わなければ後悔する可能性があります。
「タクシーへ転職するか」の次は、「どの会社なら自分が続けられるか」を比較してください。
実際に応募先を探す段階になったら、転職サイト、会社への直接応募、ハローワークなどから探す方法があります。
→タクシー求人はどこで探す?転職サイト・直接応募・ハローワークを比較
迷っているうちは、転職するかどうかを先に決めなくていい
タクシー転職で迷っているなら、最初から「転職する」「転職しない」の二択にする必要はありません。
まず、自分が気になっていることを一つずつ確認してください。
タクシー特有の大変さを理解しても続けられそうか。
収入の仕組みに納得できるか。
勤務時間が自分の生活に合うか。
接客と一人で働く時間のバランスが自分に合うか。
自動運転を含む将来の変化を踏まえても、今転職する意味があるか。
そこまで確認してから、実際の会社を比較すれば十分です。
「タクシー業界はどうなのか」ではなく、「自分がその働き方を続けられるか」。
転職で後悔しないためには、そこを基準に判断することが重要です。
出典
厚生労働省|職業情報提供サイト(job tag) タクシー運転手
厚生労働省|自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(改善基準告示)
国土交通省|Waymo、日本交通、GOの3社による金子大臣への表敬訪問
国土交通省|自動運転の現状・見込み
