未経験からタクシー運転手になるには?応募から乗務開始までの流れ

未経験からタクシー運転手になる場合、最初から普通第二種運転免許を持っている必要はありません。

第一種の普通免許を持つ人を採用し、入社後に第二種免許を取得させる養成制度を設けているタクシー会社があります。

一般的には、

応募・選考
↓
内定・入社
↓
普通第二種免許の取得
↓
タクシー運転者になるための講習・登録
↓
適性診断や社内研修
↓
先輩乗務員などによる同乗指導
↓
一人で乗務開始

という流れです。

ただし、免許を取る時期や研修の順番、乗務開始までの日数は会社や地域によって異なります。

未経験者が転職先を選ぶときは、「採用されるか」だけでなく、入社してから一人で乗務するまで何を教えてもらえる会社なのかを確認することが重要です。

まず確認するのは第二種免許を取得できる条件

乗客を乗せて運賃を受け取るタクシーを運転するには、普通第二種運転免許が必要です。

原則として、第二種免許の受験資格は21歳以上で、普通免許などを取得していた期間が通算3年以上必要です。

ただし、所定の「受験資格特例教習」を修了した場合は、19歳以上かつ普通免許などの保有期間が通算1年以上でも受験できる特例があります。

そのため、普通免許を取ってまだ3年経っていない人でも、条件によってはタクシー運転手を目指せます。

求人へ応募する前に、まず自分の年齢と普通免許の取得時期を確認しておくと、その後の流れが分かりやすくなります。

第二種免許を持っていなくても会社へ先に応募できる

未経験者が勘違いしやすいのが、

「先に自分で第二種免許を取らないと応募できない」

という点です。

実際には、第一種免許を持つ未経験者を採用し、入社後に会社の養成制度を利用して第二種免許を取得する会社があります。

その場合は、

会社へ応募
↓
採用
↓
会社指定の自動車教習所などで第二種免許取得

という順番になります。

一方、すでに第二種免許を持っている人は、この免許取得部分を省略して研修へ進める会社があります。

未経験者なら、第二種免許を自費で先に取る前に、応募を考えている会社の養成制度を確認したほうがよいでしょう。

応募前に「二種免許費用会社負担」の条件を見る

求人では「二種免許取得費用会社負担」「二種免許養成制度あり」といった表示を見かけます。

未経験者にとって大きなメリットですが、「会社負担」という言葉だけで判断しないことが重要です。

確認したいのは、

・教習費用のどこまで会社が負担するか
・教習中に給与や手当が出るか
・学科試験などの費用も含まれるか
・一定期間内に退職した場合の返還条件があるか

といった部分です。

会社によって制度が違うため、応募前か面接時に確認します。

「二種免許無料」だけではなく、「入社から乗務開始まで自分にどの程度の費用負担があるか」で比べると判断しやすくなります。

応募・面接では免許だけでなく勤務条件も確認する

タクシー会社へ応募すると、書類選考や面接などが行われます。

会社によっては会社説明会を先に開いたり、選考過程で健康診断を実施したりする場合もあります。

ここで確認しておきたいのは、採用条件だけではありません。

特に未経験者なら、

・隔日勤務、昼日勤、夜日勤のどれになるか
・第二種免許取得中の給与
・研修中の給与
・給与保証の有無
・乗務開始後の給与体系
・研修期間
・配車アプリや無線配車の状況

まで確認しておくと、入社後のズレを減らせます。

「採用されたから入る」のではなく、乗務開始後まで想像して会社を選ぶことが大切です。

採用後は普通第二種免許を取得する

第二種免許を持っていない場合は、採用後に指定自動車教習所などで取得を目指します。

普通第二種免許の教習制度は2025年9月に見直されました。

第一種免許保有者が普通第二種免許を取得する場合の最低教習時限は、従来の40時限から29時限へ短縮され、制度上の最短教習日数も6日から3日へ短縮されています。

ただし、「3日で必ず二種免許が取れる」という意味ではありません。

教習所の日程、予約状況、卒業検定、運転免許試験場での学科試験などがあるため、実際に免許を取得するまでの日数は会社や教習所によって異なります。

現在のタクシー会社の採用案内でも、第二種免許取得に数日から10日前後など、会社ごとに異なるスケジュールが示されています。

そのため求人を見るときは、「最短○日」より、自分が入社した場合の実際の予定を確認したほうがよいでしょう。

第二種免許を取っただけではすぐ一人で営業するわけではない

第二種免許を取得すると、乗客を有償で運ぶための運転免許上の条件は満たします。

しかし、通常は翌日から一人でタクシー営業を始めるわけではありません。

法人タクシーの運転者として乗務するためには、タクシー運転者として必要な講習や登録などの手続があります。

全国でタクシー運転者登録制度が設けられており、法令、安全、接遇、地理などに関する認定講習を受けて登録します。

また、地域によっては所定の試験が必要です。

なお、以前はタクシー運転者の試験として「地理試験」が知られていましたが、地理科目は2024年に廃止されています。

たとえば東京では現在も法令・安全・接遇に関する試験がありますが、地理科目の試験は行われていません。

「昔は地理試験が難しかったらしい」という情報だけで、現在の応募を諦める必要はありません。

新しく運転者になる人は適性診断や安全教育を受ける

タクシー会社は、新たに事業用自動車の運転者として選任する人について、必要な安全教育を行います。

新たに採用された運転者は、対象条件に該当する場合、国土交通大臣が認定する初任診断を受けます。

これは採用試験として「向いていない人を落とすため」に行うものではありません。

運転者の運転特性を確認し、事故防止のために注意すべき部分について助言や指導を受けるものです。

さらに会社では、安全運転、事故防止、接客、地理、道路事情などについて研修を行います。

第二種免許取得は「タクシーを運転する資格を取る段階」、その後の研修は「実際に仕事として乗客を乗せる準備」と考えると分かりやすいでしょう。

社内研修ではメーターや配車端末の使い方も覚える

未経験者の場合、普通の車を運転できるだけでは営業できません。

実際のタクシーには、

・タクシーメーター
・カーナビ
・無線機
・配車用端末
・決済端末

など、営業で使用する機器があります。

会社によって採用している機器や配車システムは違います。

そのため社内研修では、接客や地理だけでなく、車両設備の操作方法についても学びます。

乗客を乗せた状態で初めて操作するのではなく、研修中に一通り触れる会社を選んだほうが未経験者には始めやすいでしょう。

最後に同乗研修をしてから一人で乗務する会社が多い

座学や機器研修が終わったら、実際の車両を使った研修へ進みます。

厚生労働省のjob tagでも、初めてタクシー運転手として働く場合は研修を受け、最初の数日はベテラン運転手などが同乗して接客技術などを指導すると説明されています。

会社によっては指導員が助手席に乗り、

・営業区域の走り方
・乗客の乗せ方
・メーター操作
・配車への対応
・接客
・休憩場所
・帰庫後の処理

などを実際の乗務に近い形で学びます。

この同乗研修を終え、会社側が一人で乗務できると判断すれば、いよいよ単独で営業を始めます。

応募から乗務開始までの期間は「約1カ月」が一つの例

未経験者が乗務を開始するまでの日数は全国一律ではありません。

現在のタクシー会社の採用案内を見ると、入社後おおむね1カ月程度で乗務開始としている会社があります。

一方で、

第二種免許をすでに持っている
教習所へすぐ入校できる
学科試験に一度で合格する

といった場合は短くなる可能性があります。

反対に、教習所の予約、試験日程、再試験などによって長くなることもあります。

そのため転職時には、「研修期間は○日ですか」より、

「私が未経験・二種免許なしで入社した場合、入社日から一人で乗務するまでどのような日程になりますか」

と聞くほうが実態を把握できます。

未経験なら研修期間より「何を教えるか」で会社を比べる

乗務開始まで2週間の会社と1カ月の会社があったとしても、期間だけで良し悪しは判断できません。

現在は、新しく採用したタクシー運転者に対する教育について、昔のように一律の研修日数だけで判断する制度ではなくなっています。

重要なのは、中身です。

未経験者なら、

確認すること見るポイント
二種免許取得費用・取得中の給与・返還条件
運転者登録必要な講習や地域独自の手続
安全教育事故防止や初任者向け指導
地理営業区域や主要道路を教えてくれるか
機器メーター・ナビ・配車端末の研修
接客乗降・経路確認・料金対応など
実車指導員が同乗する研修があるか
独り立ち後困ったときに相談できる体制があるか

この内容を2~3社で比較すると、未経験者を育てる会社なのかが見えやすくなります。

最初にすることは二種免許を取りに行くことではない

未経験からタクシー運転手を目指すなら、最初に自費で第二種免許を取りに行く必要があるとは限りません。

まず通勤できる範囲で未経験者を募集している会社を2~3社探します。

そのうえで、

「二種免許養成制度はあるか」
「免許取得中・研修中の給与はいくらか」
「入社から乗務開始までどんな研修をするか」
「一人で乗務するまで通常どのくらいかかるか」

を確認します。

条件が分かってから応募すれば、

応募
↓
第二種免許取得
↓
講習・登録
↓
初任者向け教育
↓
同乗研修
↓
乗務開始

という流れを具体的にイメージできます。

未経験からタクシー運転手になること自体は特別なルートではありません。

大切なのは、「二種免許を取れば終わり」と考えず、一人で乗務できるところまで教えてくれる会社を選ぶことです。

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二種免許がないなら、応募条件を確認します。
→ 二種免許なしでもタクシー運転手に転職できる?

面接へ進むなら、質問内容を確認します。
→ タクシー会社の面接では何を聞かれる?未経験者の面接対策

会社を探すなら、比較条件を確認します。
→ タクシー会社はどう選ぶ?未経験者が比較したい条件

出典

厚生労働省|職業情報提供サイト(job tag) タクシー運転手
警察庁|第二種免許等の受験資格の見直しについて
警察庁|普通第二種免許に係る教習カリキュラムの見直しについて
国土交通省|タクシー運転者登録制度を全国に拡大します
国土交通省|事業用自動車の安全対策
公益財団法人東京タクシーセンター|輸送の安全及び利用者の利便の確保に関する試験