タクシー会社の二種免許取得支援とは?費用と条件を確認

タクシー会社の「二種免許取得支援」とは、普通第二種運転免許を持っていない未経験者を採用し、免許取得にかかる費用を会社が負担・補助する制度です。

求人では「二種免許取得費用全額負担」「養成制度あり」などと書かれています。

未経験からタクシー運転手になるなら大きなメリットですが、「全額会社負担=何の条件もなく完全無料」とは限りません。

一定期間勤務することを条件にしている会社、早期退職すると費用の返還が必要になる会社、いったん会社から貸与して一定条件を満たしたあと実質負担ゼロになる会社などがあります。

さらに、教習中に給与が出るか、交通費や試験費用まで含まれるかも会社によって違います。

応募前には「二種免許無料」という言葉ではなく、誰が何を払い、いつから給与が出て、途中退職したらどうなるのかまで確認することが重要です。

タクシー運転手には普通第二種免許が必要

乗客を乗せて運賃を受け取るタクシーを運転するには、普通第二種運転免許が必要です。

原則として受験資格は21歳以上で、普通免許などを受けていた期間が通算3年以上です。

ただし、所定の受験資格特例教習を修了した場合は、19歳以上かつ普通免許などの保有期間が通算1年以上でも受験できる特例があります。

未経験者の場合、普通第一種免許しか持っていない状態でタクシー会社へ応募し、採用後に会社の養成制度を利用して第二種免許を取得するケースがあります。

そのため、自費で二種免許を取ってから転職活動を始める必要があるとは限りません。

自費で二種免許を取ると20万円台になる例がある

二種免許取得支援のメリットを考えるには、まず自費ならどの程度かかるのかを知っておくと分かりやすくなります。

2025年9月以降の普通第二種免許の教習料金を見ると、普通免許などを持つ人について、教習所によって20万円前後から30万円近くになる例があります。

たとえば現在公表されている料金では、約20万円、約22万円、約27万円、約29万円と教習所によって差があります。

さらに規定時間を超えて技能教習が必要になった場合や、検定を再受験した場合などには追加費用が発生することがあります。

つまり、会社が二種免許取得費用を負担してくれる制度には、未経験者が最初に数十万円を用意しなくても転職しやすくなるメリットがあります。

2025年9月から二種免許の教習時間は短縮された

普通第二種免許の教習制度は2025年9月1日に変更されています。

第一種免許保有者が普通第二種免許を取得する場合、最低教習時限数は従来の40時限から29時限へ短縮されました。

制度上の最短教習日数も6日から3日へ短縮されています。

ただし、これは「入社して3日後には必ず二種免許を取得できる」という意味ではありません。

教習所の日程、予約状況、卒業検定、運転免許試験場での試験などがあります。

実際のタクシー会社では、二種免許取得に数日から10日前後など、それぞれ独自のスケジュールを設けています。

応募先には、現在の制度を前提に「入社から免許取得まで通常何日くらいですか」と確認したほうがよいでしょう。

「全額会社負担」でも勤務条件が付くことがある

二種免許取得支援で最も確認しておきたい部分です。

求人に「取得費用全額会社負担」と書かれていても、一定期間働くことを条件としている場合があります。

実際に日本交通の採用情報では、二種免許取得費用を会社負担とする一方、2年以上の勤務を条件とする制度が案内されています。

梅田交通グループでは、二種免許取得費用を会社が全額負担するものの、入社から3年以内に退職した場合は返金が必要と案内しています。

つまり、

会社が費用を払う
↓
一定期間勤務する
↓
結果的に本人負担なし

という仕組みの場合があります。

「会社負担」という表示だけで終わらず、勤務期間の条件を確認する必要があります。

費用負担の方法そのものが違う会社もある

二種免許支援の方法は、すべての会社で同じではありません。

会社が教習所へ取得費用を支払う制度もあれば、貸与という形を取る会社もあります。

現在の求人では、二種免許取得費として24万円を貸与し、毎月返済したあと、完済直後の賞与へ24万円を加算することで実質的に会社負担とする制度を設けている会社もあります。

そのため、「全額負担」「実質会社負担」「貸付制度」は同じ意味ではありません。

応募するときは、

求人の表示確認すること
全額会社負担勤務年数などの条件はあるか
補助制度自己負担はいくら残るか
貸与毎月いくら返済するのか
実質無料いつ、どんな条件で本人負担がなくなるのか

まで確認すると制度の違いが分かります。

「何の費用まで全額なのか」も確認する

普通第二種免許を取得するときには、教習所へ支払う費用だけを考えればよいとは限りません。

会社によっては、

教習料金
検定関係の費用
試験関係の費用
教習所までの交通費

などの扱いが異なる可能性があります。

さらに受験資格特例教習が必要な人は、その費用についても確認が必要です。

たとえば20歳で普通免許を取得して1年しか経っていない場合は、通常の二種免許教習とは別に受験資格特例教習が関係します。

「二種免許費用全額負担」と書かれていても、この特例教習まで含むかは求人文だけでは分からないことがあります。

自分が通常の受験資格を満たしていない場合は、応募先へ個別に確認したほうが確実です。

教習中に給与が出る会社もある

二種免許取得支援では、免許代と同じくらい確認したいのが教習中の給与です。

会社によっては採用後に教習所へ通うため、その期間にも給与が支払われます。

実際の現在の募集では、

研修期間中は日給1万円
日給1万2,000円+交通費
免許取得期間中は日給8,000円から

など、会社によって違いがあります。

免許取得費用が無料でも、教習期間中に無給なら、その間の生活費は自分で用意しなければなりません。

反対に、入社日から給与が発生する会社なら、収入が途切れる期間を短くできます。

特に現在の会社を辞めてからタクシーへ転職する人は、

「二種免許代はいくら負担してくれますか」

だけではなく、

「給料は入社初日から出ますか」

「教習所へ通っている日の日給はいくらですか」

まで聞いたほうがよいでしょう。

教習中と乗務開始後の給与は分けて考える

二種免許取得中の日給と、一人でタクシーへ乗務するようになってからの給与は別です。

一般的には、

入社
↓
二種免許取得
↓
社内研修
↓
同乗研修
↓
一人で乗務開始

という段階を進みます。

免許取得中や研修中は日給制で、乗務開始後は基本給と歩合給を組み合わせた給与へ変わる会社もあります。

さらに未経験者向けの給与保証を設ける会社もあります。

そのため転職前には、

二種免許取得期間はいくら
社内研修期間はいくら
乗務開始後はいくら
給与保証終了後はどうなる

と4段階に分けて確認すると、転職後の収入を把握しやすくなります。

自分で二種免許を取ってから応募するほうが得とは限らない

「会社に費用を出してもらうと勤務期間の条件が付くなら、自分で先に取ったほうがいいのでは」

と考える人もいるでしょう。

確かに、自費で取得すれば免許費用の返還条件に縛られないメリットがあります。

一方で、自分で教習費用を負担しなければなりません。

また、会社によっては入社後の養成制度を前提として、教習中にも給与を支払っています。

そのため、

自費取得
=必ず得

会社支援
=必ず得

とは決められません。

比較するなら、

自費で必要な教習料金
会社支援の勤務期間条件
教習中の給与
途中退職時の扱い

を並べます。

長く働くつもりの会社で条件にも納得できるなら、会社支援を利用するメリットは大きくなります。

逆に、勤務期間の条件を受け入れられないなら、自費取得も選択肢になります。

「二種免許無料」だけで会社を決めない

未経験者向けのタクシー求人では、二種免許取得費用全額負担は珍しくありません。

そのため、免許代だけでは会社の差が分かりにくくなっています。

実際には、

免許取得費用
教習中の給与
研修期間
早期退職時の返還条件
乗務後の給与保証
通常の給与制度

まで含めて比較する必要があります。

二種免許取得費用が全額会社負担でも、教習中の日給が低かったり、自分に合わない勤務条件だったりすれば、それだけで良い転職先とはいえません。

二種免許支援は「会社を選ぶ理由」ではなく、「会社を比較する一項目」と考えたほうがよいでしょう。

応募前に5つ聞けば条件が分かる

未経験からタクシー会社を探すなら、二種免許取得支援について次の5つを同じように聞いてみてください。

「二種免許取得に必要な費用は、どこまで会社負担ですか」

「教習中の日給はいくらですか」

「交通費や試験費用も会社負担ですか」

「取得後に何年間勤務するなどの条件はありますか」

「途中で退職した場合、いくら返還する必要がありますか」

これだけでも、「二種免許全額負担」という求人の中身がかなり見えてきます。

特に返還条件については、口頭だけでなく、入社前に書面で確認しておくと安心です。

タクシー会社の二種免許取得支援は、未経験者が数十万円規模の初期費用を抑えて仕事を始められる便利な制度です。

ただし、本当に見るべきなのは「無料」という一言ではありません。

費用の範囲、教習中の給与、勤務期間、退職時の扱いまで確認してから利用するか判断することが重要です。

出典

警察庁|普通第二種免許に係る教習カリキュラムの見直しについて
警察庁|第二種免許等の受験資格の見直しについて
コヤマドライビングスクール|教育訓練給付金コース
株式会社ぐんま安全教育センター|普通二種免許料金表(税込)
函館自動車学校|自動車二種免許 教習料金
日本交通株式会社|募集要項
国際自動車株式会社|二種免許取得の支援について
大和自動車交通株式会社|採用よくあるご質問
梅田交通グループ|よくある質問