40代でタクシー経験がなくても、タクシー運転手への転職は十分に可能です。
タクシー業界では、普通第一種免許しか持っていない未経験者を採用し、入社後に普通第二種免許を取得させる会社があります。現在の募集でも「未経験者」「中高年」を応募対象としている会社や、40代・50代からの応募が多いと案内している会社があります。
そのため、40代という年齢だけで候補から外す必要はありません。
ただし、40代の転職で重要なのは「応募できるか」より、「今後10年、20年と続けられる勤務条件か」「転職直後の収入低下に耐えられるか」です。
年齢よりも、勤務形態、給与制度、健康面、運転への適性、未経験者への研修を確認して会社を選ぶことが重要です。
タクシー運転手は40代だと遅い仕事ではない
厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」では、令和7年賃金構造基本統計調査をもとにしたタクシー・ハイヤー運転手の全国平均年齢は56.8歳となっています。
40代は、業界全体から見ると特別に高い年齢ではありません。
ただし、この平均年齢だけを見て、
「56歳が平均だから40代なら簡単に採用される」
と考えるのも違います。
平均年齢は現在働いている人の年齢を示す数字であり、採用された年齢を示すものではないからです。
40代未経験者が実際に応募できるかを見るなら、現在の求人条件も確認する必要があります。
実際に大手タクシー会社の現在の募集では、「未経験者・中高年歓迎」とした募集があり、別の会社でも40代・50代の未経験転職者を受け入れていることが確認できます。
つまり40代は、「年齢的にもう無理」と考える段階ではありません。
未経験でも応募前に二種免許を取る必要はない
タクシーとして乗客を乗せて運賃を受け取るには、普通第二種運転免許が必要です。
しかし、応募するときから第二種免許を持っていなければならないとは限りません。
厚生労働省のjob tagでも、第一種免許の保有者を採用し、第二種免許取得のための養成を行う会社があるとされています。
現在のタクシー会社の募集でも、
普通第一種免許で応募
↓
採用
↓
会社の支援で第二種免許取得
↓
研修
↓
乗務開始
という採用ルートがあります。
40代未経験だからといって、自費で第二種免許を取ってから転職活動を始める必要があるとは限りません。
むしろ最初に、二種免許取得費用を会社が負担する求人を探したほうがよいでしょう。
普通免許を長く持っている40代なら免許歴は問題になりにくい
普通第二種免許の原則的な受験資格は、21歳以上で、普通免許などを受けていた期間が通算3年以上です。
40代で以前から普通免許を持っている人なら、この年齢・免許保有期間の条件をすでに満たしているケースが多いでしょう。
なお、現在は所定の受験資格特例教習を修了すれば、19歳以上かつ普通免許等の保有期間1年以上でも第二種免許を受験できる特例があります。
つまり、二種免許の制度上も「若いうちに取得しておかなければならない資格」ではありません。
40代から取得してタクシー運転手になることができます。
40代未経験で見られやすいのは年齢より運転と仕事への適性
40代でタクシー会社へ応募するときに、「若くないから不利なのでは」と心配する人もいるでしょう。
会社によって選考基準は異なりますが、現在の採用案内を見ると、未経験者を対象に面接、健康診断などを行っている会社があります。
タクシーは乗客を乗せて公道を走る仕事です。
そのため、
安全運転を続けられるか
長時間の運転に対応できるか
乗客へ丁寧に対応できるか
勤務を継続できる健康状態か
といった部分も重要になります。
40代であることそのものより、「これから乗務員として安全に働き続けられるか」を考えたほうがよいでしょう。
40代だからこそ確認したいのは転職直後の収入
40代の転職では、20代より収入面の影響が大きくなりやすくなります。
住宅ローン、家賃、家族の生活費、教育費など、毎月必要な金額が決まっている人もいるでしょう。
タクシー会社では、固定給などに加えて、売上に応じた歩合給を採用しているところがあります。
そのため、
「年収○万円可能」
という最高収入だけを見て転職するのは危険です。
特に確認したいのは、
・研修期間中の給与
・乗務開始直後の給与
・未経験者向け給与保証
・給与保証が終了する時期
・保証終了後の通常の給与体系
です。
40代では、「稼げる可能性」より先に「最低でも毎月いくら必要か」を決めておいたほうが会社を選びやすくなります。
前職の年収をそのまま維持できるとは限らない
40代まで同じ業界で働いてきた人の場合、前職では経験年数や役職によって給与が上がっていることがあります。
タクシーへ未経験で転職すると、その経験年数がそのまま給与へ反映されるとは限りません。
タクシーは、本人の営業売上などによって給与が変わる会社が多いからです。
前職で年収500万円だったから、
「転職後も最低500万円欲しい」
と考える場合は、その会社の平均年収を見るだけでは不十分です。
未経験1年目の実績や、給与保証終了後の給与例まで確認する必要があります。
反対に、年齢や勤続年数ではなく成果によって収入を上げられる仕組みを魅力と感じる人には、タクシーの給与制度が合う可能性があります。
40代は勤務時間を「続けられるか」で選んだほうがいい
タクシーには隔日勤務、昼日勤、夜日勤などがあります。
特に隔日勤務は、一回の勤務が翌日まで続く特徴的な働き方です。
出勤回数だけを見ると少なく感じますが、一勤務が長くなります。
40代から転職するなら、
「今ならできそう」
だけでなく、
「50代になってもこの勤務を続けられそうか」
まで考えておきたいところです。
夜間勤務が苦手なら昼日勤を募集している会社を探す。
一回の勤務が長い隔日勤務が合わないなら、日勤を選択できる会社を探す。
タクシーそのものを諦める前に、勤務形態を変えられないか確認する方法があります。
体力仕事から転職する40代でも「楽になる」とは限らない
配送、製造、建設など身体を使う仕事から、
「40代になって体力的にきつくなってきたから、座って運転する仕事へ移りたい」
と考える人もいるでしょう。
確かにタクシーは、重い荷物を一日中運び続けるような仕事とは違います。
一方、長時間座りながら周囲へ注意を向け、安全運転を続けなければなりません。
さらに乗客への接客、経路の判断、営業場所の判断などもあります。
そのため、
「肉体労働ではない=楽」
ではありません。
自分が今の仕事で何を負担に感じているのかを整理してから比較したほうがよいでしょう。
重い物を運ぶことがつらいのか。
夜勤がつらいのか。
長時間勤務がつらいのか。
人間関係がつらいのか。
原因によっては、タクシーへ移ることで軽くなるものと、逆に残るものがあります。
接客経験がなくても始められるが、人と話さない仕事ではない
40代まで工場や運送などで働き、
「接客経験がないから無理では」
と心配する人もいるでしょう。
タクシー会社では、未経験者向けに接客や営業方法を教える研修を行っている会社があります。
そのため、ホテルや販売店のような接客経験が必須とは限りません。
ただし、タクシー自体は接客のある仕事です。
目的地を聞く。
経路を確認する。
料金を受け取る。
乗客から質問されれば答える。
こうしたやり取りは必要です。
営業トークが得意である必要はありませんが、「できるだけ人と話したくない」という理由だけで選ぶと、想像と違う可能性があります。
道に詳しくなくても始められるが、覚える必要はある
40代から新しい土地や仕事を覚えられるか不安になる人もいるかもしれません。
現在のタクシーにはカーナビや配車システムが普及しています。
未経験者向けに地理研修を設けている会社もあります。
そのため、入社時点で営業区域の道路をすべて覚えている必要はありません。
ただし、仕事を続けるうちに主要道路、駅、病院、ホテル、繁華街などは覚えていく必要があります。
40代だから覚えられないという問題ではなく、
「新しい仕事を覚える期間を受け入れられるか」
で考えるほうが現実的です。
40代なら「何歳まで働ける会社か」も見ておきたい
40歳で転職した場合、60歳まででも20年あります。
45歳でも15年です。
そのため40代の転職では、入社できるかだけでなく、定年や定年後の雇用制度も確認しておきたいところです。
現在のタクシー会社では、中高年を募集し、60代以降も働ける制度を設けている例があります。
ただし、定年年齢や再雇用条件は会社ごとに異なります。
「40代でも採用してくれる会社」
だけで選ばず、
「60代になったときも自分が希望する働き方ができる会社」
という視点も加えると、長期的な転職先として比較しやすくなります。
40代未経験なら会社選びで見るポイントは5つ
40代からの転職では、求人の「未経験歓迎」だけでは判断できません。
少なくとも次の部分を同じ条件で比較します。
| 確認する項目 | 40代で確認したいこと |
|---|---|
| 未経験者 | 実際に40代・中高年の採用実績や在籍者がいるか |
| 二種免許 | 取得費用と研修中の給与 |
| 収入 | 給与保証終了後の給与体系 |
| 勤務 | 隔日・昼・夜から選べるか |
| 長期雇用 | 定年と定年後の雇用制度 |
会社によっては説明会だけ参加できるところもあります。
いきなり応募するのが不安なら、まず仕事内容や給与制度を聞いてから判断しても構いません。
40代未経験ならまず3社の「1年目」を比べる
40代からタクシーへ転職できるか迷っているなら、年齢について検索し続けるより、実際の求人を比べたほうが判断は早くなります。
通勤できる範囲から未経験者を募集している会社を3社程度探してください。
そして、
「40代未経験者の採用はあるか」
「二種免許取得中はいくら支給されるか」
「乗務開始後1年間の給与はどう決まるか」
「給与保証が終了した後はどうなるか」
「希望する勤務形態を選べるか」
を確認します。
この5つを並べれば、
「40代だから転職できるか」
という漠然とした不安から、
「この条件の会社なら転職できそうか」
という具体的な判断へ変わります。
40代未経験からタクシー運転手になること自体は、珍しい選択ではありません。
年齢だけを心配するより、収入、勤務時間、健康面、研修制度、そして今後何年続けられる会社なのかを確認することが、転職後の後悔を減らすポイントです。
出典
厚生労働省|職業情報提供サイト(job tag) タクシー運転手
警察庁|第二種免許等の受験資格の見直しについて
日本交通株式会社|タクシー乗務員 募集要項
国際自動車株式会社|タクシー運転手は未経験でも採用されやすい?稼げる理由や年収を解説
名鉄岡崎タクシー株式会社|採用情報
