タクシー運転手は休みが多い?出勤日数と明け休みを解説

タクシー運転手は「休みが多い仕事」といわれることがあります。

特に隔日勤務では月11~13回程度の乗務とする会社があり、一般的な昼勤務の仕事より会社へ行く回数はかなり少なくなります。

ただし、ここで注意したいのが「明け休み」です。

朝から翌日の深夜・早朝まで長時間勤務したあと、その日の残りを休む時間が明け休みです。これは通常の公休とは分けて考える必要があります。

そのため、

「月12回しか出勤しない=残りの約18日は全部休日」

ではありません。

タクシーの休みを考えるなら、「出勤日」「明け休み」「公休」を分けて見ることが重要です。

休みが多く見えるのは主に隔日勤務

タクシーには、大きく分けて日勤と隔日勤務があります。

日勤には、朝から夕方に働く昼勤や、夕方・夜から翌朝に働く夜勤があります。

一方、隔日勤務は1回の勤務で2日分に近い時間をまとめて働き、その後に長い休息を取る働き方です。

例えば会社の勤務例を見ると、次のような違いがあります。

勤務形態月の乗務例1回の実働例
昼勤・夜勤月20~24回前後7~8時間前後
隔日勤務月11~13回前後14~16時間前後

実際に国際自動車では日勤が月22乗務、隔日勤務が月11乗務です。

大和自動車交通では隔日勤務を月12回とする勤務例を公開しています。

つまり「タクシーは出勤日数が少ない」といわれる場合、主に隔日勤務を指していると考えると分かりやすいでしょう。

隔日勤務は出勤した翌日が明け休みになる

隔日勤務の基本的な流れは、

月曜日 乗務
火曜日 明け休み
水曜日 乗務
木曜日 明け休み
金曜日 公休

というようになります。

例えば月曜日の朝8時に出勤し、火曜日の深夜2時に仕事が終わった場合、火曜日はその後乗務しません。

この火曜日が明け休みです。

その後、水曜日に次の乗務へ入るというサイクルになります。

毎日会社へ通勤する働き方とはかなり違います。

明け休みは丸一日の休日とは違う

隔日勤務で最も誤解しやすい部分です。

例えば火曜日の午前2時に仕事が終わったとします。

その後、

帰宅
↓
食事や入浴
↓
睡眠

となれば、火曜日の午前中から昼ごろまでは休養に使うことになるでしょう。

午後から自由に動ける人もいますが、前日から長時間運転した直後です。

さらに翌日にまた長時間勤務するなら、夜更かししすぎるわけにもいきません。

そのため、

「明け休み=朝から晩まで完全に自由な休日」

と考えると、入社後にギャップが出る可能性があります。

明け休みには、次の勤務に備えて身体を回復させる役割があります。

明け休みと公休は分けて数える

タクシー会社の求人では、

「月11回勤務」

「明け休み多数」

「月の半分以上がお休み」

といった表現を見かけることがあります。

ここでは、明け休みと公休を分けてください。

例えば大和自動車交通の隔日勤務例では、

月12回乗務
明け休み月12回
公休月6~7回

とされています。

国際自動車では隔日勤務が月11回で、公休は明け休みを除いて月7~9日です。

カレンダー上で乗務しない日は確かに多くなります。

しかし、その中には勤務終了直後の明け休みが含まれています。

「完全に勤務のない休日が何日あるか」を知りたいなら、公休の日数を見る必要があります。

改善基準でも「休息」と「休日」は別

タクシー運転手には、一般の労働時間管理に加えて、自動車運転者向けの「改善基準告示」があります。

2024年4月から適用されている基準では、隔日勤務後の休息期間について、

継続24時間以上与えるよう努めることを基本とし、22時間を下回らない

とされています。

この「休息期間」は、仕事が終わってから次の仕事が始まるまで、会社の拘束を受けない時間です。

一方、改善基準上の「休日」は休息期間とは別です。

休日として扱うためには、

休息期間+24時間

の連続した時間が必要になります。

現在の隔日勤務では最低休息期間が22時間なので、休日として扱うには原則として少なくとも46時間の連続した時間が必要になります。

つまり、勤務が終わったあと22時間以上空いているからといって、それだけで公休1日というわけではありません。

月11回勤務なら本当に11日しか働いていない?

カレンダー上の「出勤日」だけを数えれば、月11回です。

しかし、1回の隔日勤務が翌日まで続きます。

例えば、

月曜日8時~火曜日2時

まで勤務すれば、出勤したのは月曜日の1回ですが、勤務自体は火曜日までまたがっています。

厚生労働省も隔日勤務を、2労働日の勤務を1勤務にまとめて行う働き方として説明しています。

したがって、

「一般企業なら月20日以上働くのに、タクシーなら11日しか働かなくていい」

という単純比較はできません。

出勤回数が少ない代わりに、1回当たりの勤務が長いのが隔日勤務です。

隔日勤務の1か月をイメージすると分かりやすい

例えば月12乗務の会社なら、1か月は次のような繰り返しになります。

日予定
1日乗務
2日明け休み
3日乗務
4日明け休み
5日乗務
6日明け休み
7日公休
8日乗務

実際のシフトは会社によって違いますが、

乗務
↓
明け休み
↓
乗務
↓
明け休み
↓
何回か繰り返して公休

という形を想像すると分かりやすくなります。

公休と明け休みが続けば、まとまった時間を確保できます。

明け休み+公休なら長く休める

隔日勤務の特徴は、明け休みだけではありません。

明け休みの次に公休が来ると、次の勤務まで長い時間が空きます。

例えば、

木曜日 乗務終了・明け休み
金曜日 公休
土曜日 次の乗務

というシフトなら、木曜日の勤務終了後から土曜日の出勤まで仕事がありません。

さらに有給休暇を組み合わせれば、連休を作りやすい会社もあります。

国際自動車では、隔日勤務で明け休みを除いて月7~9日の休日を設定し、3連休を月2回取得できる勤務例を公開しています。

そのため、

・平日に用事を済ませたい
・趣味にまとまった時間を使いたい
・毎日会社へ通いたくない

という人には、隔日勤務の休み方が合う可能性があります。

日勤なら特別に休日が多いとは限らない

タクシー運転手だから、すべての勤務形態で休みが多いわけではありません。

昼勤や夜勤の場合は、1回の勤務時間が短い代わりに、月20回以上出勤する会社があります。

例えば国際自動車の日勤は月22日乗務で、休日は月7~9日です。

一般的な会社員に近い、

勤務
勤務
勤務
休日

という生活になります。

そのため、

「タクシーへ転職すれば休みが増える」

と考えている人は、求人が日勤なのか隔日勤務なのかを先に確認してください。

出勤回数が少ないと通勤負担も減る

隔日勤務には、休日数とは別のメリットがあります。

それが通勤回数です。

例えば片道45分かかる営業所へ、

日勤で月22回出勤する場合
→44回の片道移動

隔日勤務で月11回出勤する場合
→22回の片道移動

となります。

同じ営業所なら通勤する回数は大きく減ります。

営業所が少し遠くても、毎日の通勤ではないため続けやすいと感じる人もいるでしょう。

反対に1回の勤務後は疲れているため、深夜や早朝に長時間運転して自宅へ帰ることが負担になる場合もあります。

営業所を選ぶときは、勤務回数だけでなく退勤時刻と通勤時間も確認してください。

休みが多くても身体が楽とは限らない

隔日勤務のカレンダーを見ると、乗務しない日が多いため楽そうに見えます。

しかし1回の勤務は長時間です。

厚生労働省の職業情報では、大都市の隔日勤務について、1回19時間のうち3時間休憩し、月12~13回乗務する例を紹介しています。

実際の会社でも、実働14~16時間程度に休憩時間を加える勤務があります。

そのため、

「休みが多い仕事」

と、

「身体が楽な仕事」

は同じではありません。

毎日7~8時間働くほうが身体に合う人もいれば、1回長く働いて翌日に休むほうが合う人もいます。

50代・60代は明け休みの回復まで考える

中高年からタクシーへ転職する場合は、出勤日数だけで判断しないほうがよいでしょう。

例えば隔日勤務後、

朝まで働く
↓
帰宅
↓
昼まで睡眠
↓
午後も疲労が残る

という状態なら、明け休みをほとんど自由時間として使えない可能性があります。

逆に長時間勤務に慣れていて、睡眠を取れば回復できる人なら、毎日会社へ行くより隔日勤務のほうが楽に感じることもあります。

「明け休みに何ができるか」より先に、

「明け休みで次の勤務までに回復できるか」

を考えることが重要です。

土日休みとは限らない

タクシーは曜日に関係なく利用される仕事です。

そのため、一般企業のような毎週土日休みとは限りません。

隔日勤務ではシフトに従って乗務するため、平日に公休や明け休みが入ることもあります。

これは、

・役所へ行きやすい
・病院へ行きやすい
・平日に買い物できる
・観光地や施設の混雑を避けやすい

というメリットになります。

一方、

「家族が土日休みなので必ず合わせたい」

という人には確認が必要です。

会社説明会で、土日を含めたシフトの決まり方や希望休について聞いておきましょう。

有給休暇もある

タクシー運転手も会社に雇用される労働者である以上、法律上の要件を満たせば年次有給休暇の対象になります。

隔日勤務では、公休や明け休みと有給休暇の組み合わせによって長めの休みを作れる場合があります。

ただし、有給休暇の取得方法や勤務表への反映方法は会社によって違います。

「3連休が取れる」と書かれていても、

通常のシフトだけで取れるのか
有給休暇を使うのか

まで確認すると分かりやすいでしょう。

求人では「休日数」だけでなく勤務表を見る

タクシー求人で、

「休日多数」

「月の半分以上が休み」

といった表示を見たら、次の項目を確認してください。

確認すること見るポイント
月の乗務回数11回・12回など
明け休み月に何回あるか
公休明け休みを除いて何日か
1乗務何時から何時までか
実働何時間働くか
休憩何時間あるか
連休通常シフトで取得できるか
希望休土日などを指定できるか
有給取得方法

この中で特に重要なのが、

「公休は明け休みを除いて月何日ですか」

という確認です。

「月11回勤務」という数字だけより、実際の休みを正確に把握できます。

タクシーの休みは「日数」より1か月の勤務表で判断する

タクシー運転手は、隔日勤務を選べば一般的な日勤の仕事より出勤回数を大きく減らせることがあります。

実際に月11~12回程度の乗務としている会社があります。

その代わり、1回の勤務は翌日まで続く長時間勤務です。

そして勤務終了後の明け休みは、公休とは別に考える必要があります。

そのため、

「月12回しか出勤しないから休みが18日以上ある」

という数字だけでは判断しないでください。

応募を考えている会社があれば、

「1か月分の隔日勤務の勤務表を見せてもらえますか」

と聞くのが一番分かりやすい方法です。

勤務表を見て、

乗務日
明け休み
公休

の3つに分けて数えてください。

さらに、明け休みの日に何時間睡眠を取ることになりそうかまで考えれば、「休みが多いか」ではなく、「自分にとって自由に使える時間が多い働き方か」を判断できます。

出典

厚生労働省|ハイヤー・タクシー運転者の改善基準告示

厚生労働省|ハイヤー・タクシー運転者 労働時間等の改善のための基準学習テキスト

厚生労働省|職業情報提供サイト(job tag)「タクシー運転手」

国際自動車株式会社|タクシードライバー 募集要項

国際自動車株式会社|タクシー運転手(タクシードライバー)の勤務内容・勤務時間について

大和自動車交通株式会社|タクシー乗務員 経験者採用